患者が良い看護師かどうか判断する基準の一つが、注射が上手か下手かという点だ。注射が上手だと判断されると、患者からの信頼を獲得しやすく、円滑なコミュニケーションにもつながりやすい。しかし、新人看護師やブランクのある看護師の中には、注射のコツがつかめずに苦労する人も多い。それでは、注射の技術を上達させるためには、どのような点に注意すると良いのだろうか。注射が上手になるためのコツは、穿刺の仕方を主なポイントだと考えている人も多く見られる。実際には、穿刺の仕方以上に血管の探し方が上手に注射を打つためのコツだ。注射を打つのに適した血管を選ぶことで、患者が痛みを感じにくく、かつ成功確率の高い形で注射を打つことにつながる。
成功確率の高い血管を探すには、最初は患者の両腕を片方ずつ駆血して状態を見ていくことが大切だ。目で見るだけではなく、血管の弾力や蛇行のないまっすぐな部位を触って確認していく必要がある。浮き出て見える血管であっても、硬いもしくは細いなどの理由で注射がしにくい部位もあるだろう。しっかりと触って確かめていくことで、注射がしやすい部位を見つけやすくなる。また、血管の出にくい患者なら、本人に普段はどこで採血しているか尋ねて、成功しやすい部位を探すことも一つの手だ。注射がしやすい部位さえ見つかれば、患者が痛みを感じにくい形でスムーズに注射を行える。成功確率が高まれば自分に自信がつき、注射が上手な看護師として患者からの信頼獲得にもつながるだろう。詳しくは[極める!新人看護師向け「注射」の手引き]にまとめられているので、注射が上手になりたい看護師はアクセスしてみると良い。